story 7

2021.04.14

 

営業にはノルマがあって、競い合いみたいに成績がつけられて行く。

 よくテレビドラマでありがちな名前の上が棒グラフになってるヤツ。

(さすがにそれこそ昭和か?)(笑)

 

とはいってもただマジックで塗るだけの表のところが、一つずつ黒く塗られて行くだけ。

 新卒入社は僕だけで、正直まだ戦力として見なされてなかったけど一応ノルマは月3台

 

その後も何となくコツを掴んだのか?ラッキーパンチなのか?

たまたま購入希望のお客様に出会い月に一台くらいは売れていたと思う。

 

 新人にしては悪くない成績だったけど、結局クロージングは課長だし、、、

まぁ良さそうなお客様を探してくる

「鵜飼の鵜」(笑)

みたいな感じで歩合は

一台売ったら万円。

 更にボーナスに影響あるとか言われていたけど、もちろん社会人一年目の仕事なんてそんなもんだし。

 その時の僕にとっては万円を足されたお給料は、安い寮生活も重なって不満に思うところはないはずだった。

 

車が売れると確かに少しは嬉しい気分にもなれたけど、ただなんか足りなかった。。

 もともと夢や希望や目標を持って就職したわけではないし、、

 営業所の先輩はみんな優しかったけど、これから自分の年後、10年後を思うと目標にしたいと思う先輩はいなかった(生意気~、、)

 

東京に出てきた高校の同級生たちが数名いて、よく休みに日には彼らと会って話したりしていた。

 そんな彼らは大学や専門学校やらもちろん就職してる人もいたけど、少なくとも僕よりは「目標」を持っていた。

 

この「目標」とか「夢」っていうやつが、その頃の僕にとってのモヤモヤとなり。

 だんだんそれを追っている同級生たちに羨ましさを覚え、、、

 「目標」みたいなものがない自分のサラリーマン生活に、日に日にテンションが落ちていった。

 

 そこで考えた、、

これから自分がもっと世の中で這い上がれて、やりがいや夢を持てる仕事はなんだろう、、?

 

田舎の高校生でもとりあえずオシャレは好きだったし、「カッコ良さそうだから洋服屋!?」

その流れで当時流行ったチェッカーズみたいな髪型をしてくれと美容師泣かせで、、

それでも僕のリクエストに一生懸命に応えようとしてくれた美容師さんがいて、一瞬「美容師いいなぁ、、」と思ったことあったけど、、

 僕の住んでたあたりでは、美容学校に行くのはヤンキーの姉ちゃんというのがイコールで、高校生の時は全く頭にはなかった。

 あとは若い頃からお酒が好きで、当時はハードボイルドとかジャズがカッコいい時で、バーカウンターでシェイカー振ってるバーテンダーさんがやけにかっこよく見えて、、

 

茨城の片田舎では、働いてる人は農家か、工場働きか、学校の先生か、よく追いかけられた駐在の警察官くらい、、、(笑)

 

笑うかもしれないけど、、、

そんな程度が当時の自分には当たり前で、夢や目標なんて想像すら出来なかった