story 10

2021.04.15

 

そうなると毎日が悶々として営業にも全く身が入らず。

 営業所を出てもだらだらと無駄にどこかで時間を潰すだけ、、

 そんな時本屋で立ち読みした女性ファッション誌に『ヘアメイク』って言う言葉を見つけた。

 

「ヘアメイク!???」

 どうやら美容師の延長上でファッション誌や芸能人のヘアやメイクをして、中には有名なヘアメイクの人もいたりして、、

 

「カッコいい、、」

 自分の中にはじめて憧れみたいなことが芽生えた。

 そうなると単純(笑)。

「ファッションは好きだけど飽きそう、、」

 「お酒も好きだしバーテンダーもカッコイイけど、、昼夜逆転で身体壊しそう」

 「美容師になってヘアメイクになればカッコ良さそうだしモテそうだし、、」

「一応国家試験あるし、」(何の根拠もない安心感)

「ということで、自分は美容師(ヘアメイク)になる!」

 

僅か数日で決めて辞表を出しました(笑)

 

 他の新入社員よりも少しだけ成績が良かったせいか、本社の人事部長とかにも呼び出されたけど、、

 「美容師!?、、そんな世界で一流になれるわけないし今の会社のほうが絶対安定している!」

もし自分の息子にこんなこと言われたら、同じように反対するかもしれないけど、、、(しないかな、、)(笑)

 

 若さゆえの無謀な希望は何にも増してエネルギーだけはあって、、

 誰から何と言われようと、とにかく自分の思い通りにやってみるまで気がすまないもの。

 こうしてまた大した根拠も知識も無く、ただイメージと直感だけで決めた美容師という職業。

 かくしてサラリーマン生活僅かカ月。

 親や親戚からも反対されながらも今に繋がる美容業界への道がスタートする。